コラム

政策企画部門

栗本拓幸

2020/09/01

Liquitousのミッションと役割

私たちの現在地を確認する

Liquitous

液体民主主義

経営コラム

私たちLiquitousは、液体民主主義の社会実装を通して、「一人ひとりの影響力が発揮できる社会をつくる」ことをミッションとして掲げています。9月になり、2020年2月に合同会社として法人登記を行ってから半年が経過しました。

そこで今回のコラムを通して、改めてLiquitousのミッションと役割について、その背景にある考え方も含めて考え直したいと思います。

Liquitousという組織

Liquitousとはどのような組織なのでしょうか。私たちは、現行のコーポレート・アイデンティティ(CI)において、私たち自身を『LiquitousはITベンダーと政策提言集団の2つの顔を持った組織として、液体民主主義の社会実装を進めていきます』と言い表しています。

Liquitousは、この民主主義を「より便利に、もっと色々な場所で」実践できるようにする為のソフトウェア(Webアプリケーション)を開発しつつ、そのソフトウェアをどのような組織・コミュニティで活用するか、その施策の検討と実施を行っています。そして、テクノロジーや民主主義に関連する社会的文脈や知識を整理を試みながら、私たちLiquitousの取り組みとそれらの接続にも取り組んでいます。

キャッチーな言い方をすれば、私たちLiquitousは『テクノロジーを用いて、民主主義をより使いやすく、もっと色々な場所で使えるようにしている会社』ということになります。

Liquitousにとっての『液体民主主義』とその意義

私たちLiquitousは、民主主義を使いやすくするために、『液体民主主義』という概念を用いています。私たちは、液体民主主義を『間接民主主義と直接民主主義をオンライン上のプラットフォームで融合させたガバナンス・システム』として定義しています。

(尚、液体という言葉が用いられている理由は、このガナバンス・システムにおいて、間接民主主義と直接民主主義が(明確な境界線がなく)混ざっている様子を流動体としての「液体」に見立てているためです。)

そして、このガナバンス・システムを実践するためのプラットフォームを民間企業、NPO/NGO、教育、行政、政治など、様々な領域にある組織・コミュニティにで実際に使用していただくことを目指しています。オンライン上のプラットフォーム上に、組織・コミュニティに既にある意思決定システムとは異なる『新しい意思決定の回路』を作り出すことで、その組織・コミュニティを構成する一人ひとりが意思決定に参画できる状態を目指します。

同時に、より多くの人々が意思決定に参画できる仕組みを作り、人々が既存の思考の枠から越境し、多種多様な意見が交わって創発する環境の形成に寄与します。その結果、その組織・コミュニティをより豊かにするイノベーションの種を生み出すことにも繋がると考えています。

今日、様々な組織・コミュニティの内部が分極化し、その中で集合知を形作ることが困難になっています。オンライン/オフラインの融合、単一の組織を超えた協働なども急速に進みつつあります。だからこそ、オンライン上に人々の意見や考えが集まる『コモンズ』を構築し、そのコモンズを意思決定の一つの回路として機能させていくために、Liquitousは液体民主主義の社会実装を進めています。

Liquitousの世界観と目指すもの

先程も述べた通り、私たちLiquitousが開発しているソフトウェア(Webプラットフォーム)を実装する先は、個々の組織・コミュニティです。まずは、一つ一つの組織・コミュニティの中で、回路を確立し、一人ひとりが個別の組織・コミュニティの意思決定プロセスに参画できる状態を作ります。

私たちLiquitousは液体民主主義の社会実装を通して、『一人ひとりの影響力が発揮できる社会』を目指しています。ここでいう社会とは、様々な個々人や組織・コミュニティが複雑に折り重なることで構成されている集合体です。ここでいう社会実装とは、より多くの組織・コミュニティで実際にソフトウェアを『新しい意思決定の回路』として使用していただくことで、組織やコミュニティのガバナンス・システムとして確立することが当面の目標です。

これまで永い間、(知覚するには余りにも巨大な集合体である)社会と個々人の関係性が常に問われ続けて来ました。私たちLiquitousは、まずは個々人が所属する組織・コミュニティと個々人の関係をオンライン上のプラットフォームを用いて新たに構築することで、組織・コミュニティを媒体とした、これからの時代における社会と個人の関係性を構築しようとしています。

その際に重要になる考え方として『DIO: Do It Ourselves』が挙げられます。液体民主主義の実装によって、組織・コミュニティと個々人の関係性を新しく構築していく中で醸成される ①個々人が、その組織・コミュニティの当事者であるという意識、②組織・コミュニティを共同体として認識して生まれる連帯感の2つを併せた『DIO』マインドを個々人が獲得することで、結果として『一人ひとりの影響力が発揮できる組織・コミュニティ』、ひいては『一人ひとりの影響力が発揮できる社会』の実現を図ります。

これから

現在、法人登記段階では6名だったメンバー数を、現在10人まで増強し、本格的な事業開始に向けた強力な体制を整えつつあります。開発部門・意匠部門・政策企画部門の各部門がそれぞれの役割を果たしながら、私たちのミッションである液体民主主義の社会実装に向けて歩みを進めています。

今秋以降、皆様にお知らせする事柄が、今まで以上に増えることが想定されます。本年10月末に開発部門・意匠部門がプラットフォーム『Liqlid』のβ版を公開する予定です。同時期に政策企画部門も、これまでLisearch Journalに投稿してきた記事を基にした提言書『Liquitous Policy Address2020』を公開する予定です。同時に、様々な媒体における広報PRや強化にも取り組んで参ります。

また、10月頭〜中旬を目途に、外部からの資金調達手段確保とコーポレート・ガバナンスを強化することを目的に、合同会社から株式会社へと改組する準備も進めています。

引き続き、皆様からLiquitousにご協力・ご支援をいただけますと幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

Author

栗本拓幸

Hiroyuki Kurimoto

代表取締役CEO

スクラムを組んで『民主主義のDX』!

1999年生まれ、横浜市で育つ。18歳選挙権などをきっかけに、市民と政治・行政の関係性に問題意識を持つ。2018年に慶應義塾大学総合政策学部に入学以降、選挙実務や地方議員活動のサポートに従事した他、超党派議員立法の事務局などに携わる。市民と行政を繋ぐ「新しい回路」の必要性を痛感し、Liquitousを起業。

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