コラム

政策企画部門

栗本拓幸

2020/05/11

民主主義のDXを推進するチャンスを逃すな

私たちLiquitousは液体民主主義の実装から

協働

民主主義のDX

液体民主主義

新型コロナウイルス感染症は我が国の日本の在り方に大きな疑問符を投げかけているとしても過言ではない、そう表現しても違和感がないほどに、この2ヶ月間は新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、私たちの社会の常識を少しずつ塗り替えていった。如何にオンライン環境で事業を継続するか、オンライン環境に適した事業形態に再構築していくか、走りながらテストを繰り返すことが求められた環境は、間違いなく、従来の私たちの価値観を変容させた。

ただ、そうした中でも政治・行政や公共の領域では、なかなかテクノロジーの活用が進まなかったことも如実に明らかになった。確かに、取手市議会の事例や国政・与野党の一部でのテックツールの活用事例はあったものの、全体としてはテクノロジーの活用は進まなかったと評価せざるを得ない。しかし、これだけ社会がどのようにテクノロジーを活用し、新しい事業の形を創出するか社会的な耳目を集める中で、これから先もテクノロジーの活用を検討せず、旧来の形態の上に胡座をかき続けることはもはや困難であろう。

テクノロジー、特にオンライン空間の可能性は、単に地理的な壁を越えることだけではない。仮想空間に存在する空間に、一人ひとりが参画する空間のデザインが物理的空間と比較して非常に容易であり、例えばその手続きの在り方を設計したり、あるいは空間の情報を保存することを可能とする。現実空間と比較して、様々な可能性があると考えられるだろう。だからこそ、これまでも多くの先人たちが、テクノロジー×政治・行政、テクノロジー×公共の分野で取り組みを展開してきた。しかしながら、2000年代以降のごく一部の期間を除いては、政治・行政や公共の仕組みを改良・発展するための人的資源や経済的資源等の社会的な投資は必ずしも盛んではなかった。故に、それらの多くは不発に終わった。

一方で、今私たちの目の前にある、新型コロナウイルス感染症を経験した社会は、これまでにない程に、テクノロジーの活用に関心を持つ社会であり、私たちにとって未経験の社会である。私たちが等しく未経験であるからこそ、例えば政治・行政についても、あるいは公共についても、今までの在り方を見つめ直し、本来の価値とは何か、これまでは如何なる形だったのか、これからの社会においてあるべき姿とは何か、真摯に見つめて構想し、再起動する必要があると考えている。構想する際には、テクノロジーをどのように活用するか、という視座は確実に欠かせないことは言うまでもない。

そこで、私たちLiquitousは、液体民主主義の社会実装を通して、民主主義のDX:デジタルトランスフォーメーションを進めていこうと立ち上がった。とはいえ、民主主義のDXは液体民主主義の社会実装のみで達成され得るものではない。様々な組織・団体と協働しながら、これからの政治・行政や公共の在り方を構想していきたい。今は、そのチャンスであると確信している。

Author

栗本拓幸

CEO

Chief Officer of Policy Research Div.

1999年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部在学。「知性ある日本」をテーマに、政治参画、Govtech、統治機構改革などの分野で研究を進めながら、NPO法人Rightsをはじめとする複数の法人で理事他、政策提言、教育現場でのファシリテーターやラジオパーソナリティ、YouTube配信など。公共と市民の関係性、Society5.0が喧伝される中で民主主義の在り方についての問題意識から、液体民主主義の社会実装を試みる合同会社Liquitousを設立。富士通総研・トポス会議他登壇多数。公共コミュニケーション学会 (PRAS) 会員。

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