対談
「Liquitousって何?」各部門のチーフで私たち自身について考えた - 対談#1
明田悠祐×杉本涼×栗本拓幸
栗本)はい、早速対談をやりましょうか。よろしくお願いいたします。冒頭、今回の対談の趣旨について改めて確認しますね。
明田・杉本)よろしくお願いします。
栗本)皆さんのご協力をいただいて、今回「合同会社Liquitous」の立ち上げに至りました。これから、私たちが事業を展開している領域やテーマは、「公共」に近しいものであると考えています。だからこそ、Liquitousでどの様なメンバーが活動しているのか、どの様なバックグラウンドを持った人間が参画しているのか、明らかにすることは大切だと考えています。そこで今回の対談では、Liquitous社内の開発部門・意匠部門・政策企画部門のチーフである私たち3人が、そもそもどの様なバックグラウンドを持った人間なのか、あるいはLiquitousを通してこの社会に対して何を発信して変えていきたいのか、私たちが設けている「コーポレートアイデンティティ」が一体何なのか、話をしていきたいと思います。
私たちについて
栗本)一番最初に早速各々の自己紹介からお願いしたいのですが…。杉本さんの方から自己紹介をお願いしてもいいですか?
杉本)はい私ですね。慶應義塾大学総合政策学部に在学している、杉本涼と申します。よろしくお願いいたします。Liquitousでは、最高技術責任者(CTO)として意思決定プラットフォーム『Liqlid』の開発を進める傍ら、政策企画部門のリサーチャーとして、政策研究にも取り組んでいます。つまり、技術と政策の両端に取り組んでいます。

栗本)そもそもどういったバックグラウンドを持ってLiquitousに参画をされようと思ったんですか?
杉本)元々、大学に進学する前は函館に住んでいました。テクノロジーを使って公共や町の課題を解決しようというCode for Hakodateという団体を中学生の時に立ち上げました。

( https://www.fun.ac.jp/activity/1432 )
高校卒業まで、町の課題とかまた行政の持っているデーターをオープンにしてもらい機械で扱えるような形にして提供していただく『オープンデータ』制度の提言活動、公共交通に関するオープンデータのプラットフォームの構築、あとは「オープンデータというものは大丈夫なのか?」ということを問うイベントの開催などに関わってきました。いわば「公共×テック」の分野にいた人間です笑
栗本)次に、明田さん。まずは簡単な自己紹介、そして何で今回Liquitousに参画をされたのか、簡単なバックグラウンドを説明いただいてもよろしいですか?
明田)明田悠祐です。今は大学院で機械工学、特に制御工学を研究しています。元々自分高校生ぐらいまでは、今の機械工学ではなく生物分野や電気電子分野の方が自分の性に合っていると思っていました。
しかし勉強していくなかで、ひとつの学問領域内で社会問題を解決できるということは殆どなく、色んな学問領域を跨ってはじめて解決ができるということに興味深さを感じました。そうした経緯から、今の専門分野を様々な分野を活用する制御工学にしています。人文科学は自分の専門分野ではないですが、情報通信工学と、公共など人文社会系の考え方がどの様に混ざっていくのか見届けたいと考え、意匠部門のチーフ(CBO)として参画しています。
栗本)ありがとうございます。色々な背景を持った皆さんが集うLiquitousは、「液体民主主義の社会実装」と「民主主義のDX」に取り組む。そして、その先に『一人ひとりの影響力が発揮できる社会』を作りたいということコーポレート・アイデンティティとしている組織です。特に今、新型コロナウイルスの問題が言われている中、この対談企画もオンライン収録をしている様に、これからの社会のあり方はテクノロジーを前提にしないと語ることができなくなると思うんです。

その一方で、公共であったり、あるいは公共の中の様々な利益分配を行うための政治であったり、民主主義というものはテクノロジーの存在を前提にしていないという強い問題意識を持っています。私自身がLiquitousを立ち上げた理由には、民主主義を今の時代にあった形にしっかりとアップデートしていく。アップデートという言い方は若干語弊があるかもしれませんが、時代の在り方に合った形へ変化させていくことは間違いなく重要だろうと考えています。
現状をどの様に捉え、評価しているか
栗本)皆さんご存知だと思いますが、今、日本の国も民間、例えば経団連などの経済団体も『Society5.0』の到来を喧伝しています。『Society5.0』とは、フィジカル空間、こういった物理的な空間と、サイバー空間、いわゆるインターネット上の空間が高度に融合する社会がやってくるということです。もちろん、分野によってはそういった変化が非常に進んでいますが、公共あるいは民主主義のあり方は殆ど変わっていない。このままで良いのだろうかというこ私自身の素朴な疑問があります。そこで、今の社会、特に公共のあり方について、特にテクノロジーの利用・活用の視点から、お二人は現状をどの様に評価しているのか、改めて皆さんにお聞きしたいと思います。
杉本)えーっとですね。例えば私が関わってきたCode forがターゲットとしているものは、公共の中でも「政府」、つまり行政機構になります。ここでいう政府とは、国とか都道府県ではなく、基礎自治体(市町村)であり、市町村の課題をテクノロジーから解決に導くことができないかと試行錯誤してきました。ただ、一般論としては市町村の行政職員の方々って、民間の企業で働いていらっしゃる方々と比較して、よりインターネットやテクノロジーというものに「ちょっと危ない」という印象を抱いていらっしゃる様に感じています。そうした考えの根本的なところには、日本社会で根強い「クラウドサービスに情報を置いていたら危ない」という様な、インターネットとかテクノロジーに対する懐疑感と結びつくのかなと思います。行政の方々の中にも、それこそCode forの活動でご一緒してきた情報システム課の職員の皆さんの様に、インターネットやテクノロジーに対する理解が高い方もいらっしゃいますが、行政職員は基本的に3年で部署いろいろ移動していかなくてはいけないんですね。仮にシステム系の専門的なものを任期中に学んでも、すぐ配属先が変わってしまうため、学ぼうという意欲が生まれにくいという背景もあると思います。そうなると、じゃあテクノロジーの利活用だといって、一緒にプログラミングをして何かを作りましょうとか、テクノロジーを基盤にして行政の仕組みをより良くしていきましょうというモチベーションが低くなってしまうんですよね。
栗本)行政とテクノロジーの相性が悪い理由は、行政独自の人事異動というルーティンにもあるという指摘ですね。確かに。
杉本)加えて、行政の取り組みは、基本的に自治体間でもあるいは個別の自治体の中でも、横並びであることが目的になってしまっている面はあるんですよね。例えば、どこかの自治体の個別のユニットが実験的な試みをして失敗に終われば、様々な方向から批判に晒されることが想定されるから、なかなか実験がしにくい。何か新しいことをやろうと思ったときに「うちだけでやって失敗しちゃったら…」と二の足を踏んでしまうことは少なくないのではと思います。ソフトウェア開発に際しての『アジャイル思考』ではないですが、まずは凄い小さい穴を掘り、小さな穴が開いたら、それをちょっとずつ大きくすれば、成功に繋がる、という考え方が行政側にも広まっていけば、システムとかテクノロジーをベースとした様々なプロジェクトをやりやすくなっていくんじゃないかな?っていうのは思っています。
杉本)三点目に、地方自治体における「インターネット分離」という環境があります。テクノロジーを使うにしても、自分たちの作ったシステムはものすごく利用するけれども、庁内からインターネットへのアクセスに制限が設けられている場合は少なくないんですね。つまり、インターネットで使われてる様々な便利なサービスを使えない環境にいらっしゃる方が多いということです。便利なものに触れることができなければ、そもそもテクノロジーの利活用という発想に結びつかないですから、こうした環境もテクノロジーの利活用を妨げている一因と言えるのではないでしょうか。
栗本)明田さんも、分野的には少し違った視点をお持ちだと思いますけれども、今の社会とテクノロジーの関係をどの様に見ていらっしゃいますか?
明田)まず最初に自分の頭にぱっと浮かんだものは電子投票ですね。2000年代初頭には一部の自治体で導入されていたのに、今ではどこもやっていないでしょう。今の社会は電子的なものに対する耐性がそれほど高くないと感じています。例えば、電子的に記録すると改竄ざれてしまうのではないかと考える人は少なくないのでは?最近も、参議院で採決に使うボタンを他の議員が勝手に押してしまうという事件があったが、こうした事件が起こると大々的にニュースにもなり、世間に「やっぱり電子的なものは(改竄などの不正が発生しやすくなってしまい)危ない」というイメージを与えてしまっています。結果、未だに様々な所でITの導入に踏み切れていないという背景もあるのかと。
栗本)この社会で「電子的なものは危ない」という印象が根強くある様に感じます。以前私自身も電子投票について考える機会があったのですが、導入当時の議論を見ているだけでも頭が痛くなります…。(参考: 電子投票導入黎明期の変遷の整理:インターネット投票の実現に向けて [外部リンク])
明田)マイナンバー制度が始まるタイミングでも、「マイナンバーを見られたら、全部個人情報が流出するからダメだ」といった事実に基づかない意見がありましたね(笑)
栗本)Liquitousの「民主主義のDX」というミッションを考える際にも、これまでに出てきたマイナンバーや電子投票についての社会的な懸念は非常に示唆に富むところがあると思います。私たちLiquitousは、この瞬間には例えばネット投票やマイナンバーカード活用を主張していないですが、こうした世の中の反応見た時に、「IT嫌い」というか、新しいものに対する抵抗感が社会に根深く存在するということを感じる機会が少なからずあります。
明田)まさに。
栗本)政府あるいは経済団体は「テクノロジーの利活用でSociety5.0の実現」という風に言っているけれども、実際問題そうした発想が世の中一般に広がっているかというと必ずしもそうは言い切れないし、これまでは進んで来なかったと思うんですね。ただ今回の新型コロナウイルス感染症の問題が出てきて、一気にデジタライゼーションに対応しないと、学校も、一般企業もその事業が継続できなくなっている。そして、渋谷区をはじめとする自治体でも、テレワークの導入が進むなど、社会全体で一気にデジタルトランスフォーメーションが進んでいる状態です。
明田)日本は中から変えていくというよりも、外圧を利用した方が変わりやすいという傾向は歴史を見てもあるかもしれません(苦笑)
栗本)日本でも多くの方が新型コロナウイルス感染症に感染され、亡くなる方もいらっしゃる。そして社会全体が大きな傷を負っている。この現実を厳粛に受け止めつつも、傷を少しずつ癒しながら、次の社会の在り方を考えていかなくてはいけない。だからこそ、今まで遅々として進んでこなかったデジタルトランスフォーメーション、特に民主主義のDXを進める契機として捉えることも肝要なのでしょう。だからこそ、Society5.0も然り、同様にポストコロナ社会に関連する議論に積極的に参画していくことも、Liquitousの存在意義を考えると欠かせないと考えています。
改めて液体民主主義を考える
栗本)この前、当社として初めてのプレスリリースを出しました。その中でも、前面に押し出しているキーワードが幾つかありましたよね。
せっかくの機会なので、それらのキーワードの中でも、Liquiutousを語る上では外すことのできない液体民主主義を挙げたいと思います。そもそも液体民主主義が何かというと、オンライン上のプラットフォームというものを活用することで、直接民主主義と間接民主主義が融合した意思決定をしますよというモデルです。元々この発想というものは欧州のLiquid Democracyという発想にヒントを得て、それを日本に合う形にうまく発展させていったものが、私たちLiquitousにとっての液体民主主義です。先ほどまで話をしてきた、ポストコロナ社会が議論されている今日において、液体民主主義は社会の変化とどの様に合わさっていくと考えていますか?
杉本)この新型コロナウイルス感染症に関する情勢の中で、外になるべく出ないということが当たり前になりつつありますよね。今までの様に、「朝、満員電車に乗って出社して、仕事をして、夜になってまた満員電車に乗って帰ってくる」スタイルであれば、確かに液体民主主義の様な意思決定モデルの必要性は高くないのかもしれない。ただ、そもそもの前提として、ここ数年来は働き方改革の文脈でテレワークも推進されて来ました。加えて、この情勢で、インターネットがあればある程度の仕事ができるということが分かった職種も少なからずあるわけじゃないですか。仮に、将来的に新型コロナウイルス感染症の拡大を抑止するための接触制限が必要なくなった際に、全てが今までの元の仕事のスタイルに戻るかと問われれば、決してそんなことはないと思います。
栗本)一度変わってしまったことを元に戻すにも、それだけの理由が必要になりますものね。
杉本)例えば必ずしも毎日会社に出勤しなくても良いという手軽さに慣れてしまうと、わざわざ(従来の様な)負担の大きい形に戻そうとは思わないですよね。そうなると、いろいろな人が出勤する時間も曜日も違う、人によってはオンラインからプロジェクトに参加するし、人によってはオフラインで参加するという人も出てくることになります。こうなれば、Liquitousが開発を進めている様な、オンライン上の意思決定プラットフォームの中で、実際に意思決定を行う必要性が生まれてくると考えています。加えて、私たちLiquitousとしては、私たちが提供する液体民主主義に基づくプラットフォームをオフライン・Face to Faceの議論をサポートするツールとして活用する形も想定しているので、ポストコロナ社会の働き方にも柔軟に対応できるのではないかと思います。
栗本)明田さんは、この情勢と私たちLiquitousのミッションがどの様につながると考えていますか?
明田)杉本くんと同様の捉え方をしているけれども、これを機にやっぱり在宅勤務は増えると思いますね。これまでも在宅勤務の拡大に向けた議論は色々とあったけれども、「在宅勤務なんて本当に大丈夫?」と訝しがる声は根強くありました。今は半ば強制的に在宅勤務にせざるを得なくなっています。結果としてこの緊急事態宣言の期間が、様々な職種を通して在宅勤務で対応可能な程度を検証する期間になっていることはとても興味深くみています。これからのポストコロナ社会において、会社の給料や福利厚生が維持されるか否かはさておき、在宅勤務は間違いなく選択肢の1つになるはず。その際に、(物理的に)面を向かって議論をしていてもそのルール設定は難しいのに、今までの議論の方法をそのままオンラインにトレースしたら、間違いなく上手くいかない。だからこそ、オフラインとオンラインが混ざることを前提に、それこそ「私はあなたに任せます」と委任を可視化したり、あるいはゲストを呼んで議論したりとか、そういった現実以上のことができるツールっていうのが今後必要になると考えています。そこにLiquitousの液体民主主義の実装という可能性があるんじゃないかな。
栗本)今、杉本くんと明田さんが仰っていた通り、どの様な情勢においても、意志決定というものは継続してやらなければいけないですよね。様々な組織において、民間企業においても、NPOやNGOにおいても、あるいは政党などにおいても、様々な性質を持った組織において、これからも意思決定はしなければいけない一方で、今までのやり方を変える必要が出てくる。かと言って、今あるような様々なチャットツール上で意思決定をやろうとしても、意思決定に特化したものではないから交通整理がされていない。だからこそ、例えば意思決定のプロセスが目に見えるとか、あるいは今議論しているアジェンダが明確にわかるといった機能を備えた意思決定を行うためのツールが求められていると確信しています。こうしたツールを導入すれば、例えば意思決定に要する時間が短くなる、あるいは分かりやすくなるなど、意思決定がより機能的になります。何より、私たちLiquitousが開発しているツールは液体民主主義という発想に基づいたものですから、より民主主義的な意思決定を実現することができるという点を強調したいです。
杉本)液体民主主義に基づいた意思決定は、営利を求める組織でも活用することができそうだよね。
栗本)液体民主主義に基づいた意思決定と聞くと、民間企業など利益追求を目的にした組織との食い合わせが悪いとお考えになる方も少なくないと思いますが、私は必ずしも相性は悪くないと考えています。プレスリリース等々でも書きましたが、「民主主義」という発想は、最終的に決定を下す存在や、実行を担う存在を否定していません。最も重要な点は、その組織の中で行われる意思決定に際して、その組織の構成員一人ひとりが意見表明なり、この人の任せますという意思を表示できる様にして、風通しを良くすることだと思います。だからこそ、杉本くんと明田さんが仰っていた様に、液体民主主義を単に公共領域のみならず、民間企業や様々なプロジェクトにも実装していきたいと考えています。この情勢の中で、この試みが実現する可能性はかなり高まっているのではないか、と私自身が感じる機会も多いです。
各部門のミッションとは
栗本)それでは最後に、Liquitousのコーポレートアイデンティティを具現化していく過程で、皆さんがチーフを務める部門がどの様な役割を担っているのか、改めて説明をお願いします。
杉本)開発部門はその名前の通り、まずは液体民主主義に基づくプラットフォームを開発・構築することが大事な役割です。これまで話してきた内容を具体的な形にすることを目指す中で、開発部門がこのプラットフォームを構築することは欠かすことができません。
それと同時に、確かに開発部門は技術者集団ではあるんだけれども、液体民主主義に基づいたソフトウェアを開発する、言い換えれば、公共に近い発想にテクノロジーをお迎えするということですから、単に開発するだけではなくて、公共をはじめとする人文社会系の発想も積極的に学んだり、考えたりしていきたいと思います。
栗本)お、まさに越境しながら開発を進めるということですね。よろしくお願いします。明田さんはご自身がチーフを務める意匠部門の役割をどの様に考えていらっしゃいますか?
明田)サービスを始める上で、「その会社だから」というある種の愛着を生み出すことは非常に重要だと思うんですよ。スマホメーカーにも、アップルやグーグル、サムスンなどがありますが、サムスンには「GALAXYらしさ」、Googlelは「Pixelらしさ」、Appleだったら「iPhoneらしさ」があって、その「らしさ」が人々に根づいています。「前にiPhoneを使ってたから、次に買う時にも(同じ『iPhoneらしさ』を期待して)iPhoneにしよう」という様に、その製品を使用するハードルを下げることができますよね。
やっぱりブランド、意匠というものの可能性は、このハードルを下げるということにあると考えています。だからこそ、DXというものを世の中に広めていく時に、「あのLiquitousだったら良いんじゃない?」と言ってもらえる様に、「Liquitousらしさ」というものを確立していくのが自分たちの役目かなと思います。
栗本)では最後に、政策企画の話をしたいと思います。これまでも、国内外を問わず、テクノロジーを使って、政治や民主主義を変えようというムーブメントやプロジェクトは多数存在し、早いものは1990年代の前半まで、その歴史を遡ることができます。ただ、必ずしも、どれもが上手くいったというわけではありません。その理由として、例えば技術面の制約や、テクノロジーに対する社会的な評価などを挙げることができます。上手くいかなかった試みを政策企画部門としてレビューしてみると、仮に試みの技術的レベルが高くても、社会に実装していく具体的な手順やその先にある社会像といったビッグピクチャーが描かれない限り、概して上手くいかない傾向があることが見えて来ました。政策企画部門が謳う政策とは、単に政治・行政領域における施策のみならず、「特定の社会問題の解決に向けて、多様な利害関係者と折衝しながら生み出された集合知」を言い換えたものでもあります。例えば、どこかの企業に液体民主主義を実装しようとしたときに、企業の経営者の視線も、そこで働く人々の視線もカスタマーの視線も重要な訳ですから、政策企画部門でそれらを擦り合わせて、具体的に実装するときのプランを提示していきたいと考えています。そして、個別の具体的なプランが積み上がった先に、どのような社会があるのか構想すること、その社会を実現する為に、先行事例の分析・収集や社外の様々なパートナーと協働すること、あるいは政策提言を積極的に行っていくことも、政策企画部門の役割だと考えています。

栗本)これまで皆さんにお話を伺って来ましたが、これからも皆さんと力を合わせて、このLiquitousから「液体民主主義の社会実装」そしてその先にある「民主主義のDX」を実現していきたいと考えています。その為には、皆さんもそうですし、各部門のメンバー誰1人の力も欠かすことができません。
明田)これからが勝負だから、一緒に力を合わせてがんばっていきましょう。
杉本)対談は色々な方々とやれれば良いよね。社内だけではなく、世の中で力を合わせて、液体民主主義の社会実装に取り組んでいきます。
Author

Lisearch Journal編集部
Lisearch Journal編集部です。Liquitous Inc.政策企画部門が考えていることをブログや図表、動画を通して皆様にお届けします!

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